産業医 コラム

運動による健康増進:ラジオ体操の試み~動きのひとつひとつを理解し正しく行えば、効果抜群です~

2018年3月2日



今まで、メタボリックシンドロームや生活習慣病における運動の重要性について、繰り返しお伝えしてきました。
最適な運動とはウォーキング、軽いジョギング、サイクリング、水泳などの有酸素運動です。また無酸素運動(筋トレ)を組み合わせることにより、より効果的に行えます。とは言え、忙しい日々の中でこれを継続的に実行するのは容易でないと感じた方も少なくないでしょう。

今回は、運動習慣を身に付ける目的と、体を動かす爽快感を日々体感する試みとして、ラジオ体操についてご紹介します。


ラジオ体操の歴史
お馴染みの「ラジオ体操」は、国が推し進めた80年以上の歴史をもつ体操です。

1928年(昭和3年)
現在のかんぽ生命の起源である逓信省簡易保険局が「国民保健体操」として制定し、日本放送協会のラジオ放送、文部省等の協力の下に広く普及しました。

1951~1952年(昭和26~27年)
体操の内容が「ラジオ体操第一・第二」として再構成され、誰でも気軽に実践できる運動として現在も多くの方に親しまれています。


ラジオ体操の効果
ラジオ体操は、健康な人なら負荷も少なく、誰でも気軽にできる体操です。

■ラジオ体操第1
「いつでも」「どこでも」「だれでも」出来るように作られ、運動強度はそれほど強いものではありません。老若男女を問わず誰にでも出来ることを主眼とし、13の運動で構成されています。軽快なリズムに合わせて体全体の筋肉や関節をバランスよく動かすことが出来ます。

■ラジオ体操第2
職場向けに青年・壮年層を対象に作られ、運動強度は第一より強いものになっています。体を鍛え筋力を強化することにポイントをおいて、13の運動で構成されています。筋肉や関節を柔軟にするダイナミックな運動が血行を促進します。

私たちが日常行うVDT作業において、同じ姿勢を長時間続けることで肩こりや腰痛が生じることがあります。ラジオ体操によりくび・肩・腰の筋緊張がほぐれて症状の改善が期待できます。また長時間の座位による下肢のむくみ解消にも効果的です。


ラジオ体操の実施と注意点
ラジオ体操は見よう見まねで行っても適切な効果は得られません。動きのひとつひとつを理解し、正しく行うことがポイントです。いくつかの運動を例に、その実施上の注意点ついてお示しします。

■腕を回す運動(ラジオ体操第1:03)
目的:肩関節を柔軟にし、肩コリや首筋の疲れをとる
[1]腕を下から外側に大きく回す
ポイント:ひじを伸ばす/腕は体の横へ回し、後ろへ回さないように
[2]逆方向から外側に大きく回す
ポイント:腕は頭の上で交差する/肩を中心に大きく回す/かかとは上げない
上記を4回繰り返す

■胸を反らす運動(ラジオ体操第1:04)
目的:胸部を大きく広げて胸の圧迫を取り除き、呼吸機能を促進させる
[1]腕を下から外側に大きく回す
[2]腕を横に振りながら、腕を大きく反らせる
ポイント([1]・[2]共通):指先まで伸ばす/あごを引き、手で上方へ引き上げるように胸を反らす
               手のひらを返す/脚は肩幅よりやや広く開く
悪い例([1]・[2]共通):首が立ち、頭が残っている/おなかが出ている/ひざが曲がりやすい
上記を4回繰り返す

かんぽ生命 社会貢献活動/社会/地域社会への貢献の推進/ラジオ体操の動きの解説より引用


おわりに
厚労省においては「健康増進法」「健康日本21(第二次)」の目的達成の手段のひとつとして、地方自治体を通じてラジオ体操の実践に努めています。

ラジオ体操はNHKで毎朝放送されています。出勤前に心身のスイッチを入れるのに役立つかもしれません。また最近はインターネットを通じてラジオ体操動画をいつでも閲覧できるので、ご自身の都合のよい時間帯に実施できることもメリットのひとつです。是非ともお試しください。

【参考】
・かんぽ生命 社会貢献活動/社会/地域社会への貢献の推進
・一般財団法人 簡易保険加入者協会
・NHKテレビ・ラジオ体操

ウェルネスセンター産業医