産業医 コラム

メンタルヘルス(周囲のサポート)~メンタルヘルス不調のサインが見られる方へ声かけしましょう~

2019年3月6日

 

職場におけるメンタルヘルスケア

平成18年3月に、厚生労働省から事業場における『労働者の心の健康保持増進のための指針(メンタルヘルス指針)』が示され、職場のメンタルヘルス対策が推進されることとなりました。

同指針では、「セルフケア(労働者自身による)」「ラインによるケア(管理監督者による)」「事業場内産業保健スタッフによるケア(産業医、衛生管理者等による)」「事業場外産業保健スタッフによるケア(事業場外の機関、専門家による)」という4つのケア(下図参照)を軸に、継続的かつ計画的な対策を講じていくことが求められています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近年、メンタルヘルスケアとは、「すべてのはたらく人が健やかに、いきいきと働けるような気配りと援助をすること、およびそのような活動が円滑に実践されるような仕組みを作り、実践すること」とされ、職場の生産性低下の防止だけでなく、生産性や活力の向上、リスクマネージメントといった面からも取り組まれるようになっています。

参考:厚生労働省 こころの耳(http://kokoro.mhlw.go.jp/

部下・同僚のメンタルヘルス不調※ に気づくために大切なこと

部下や同僚のメンタルヘルス不調に気づくためには、「本人の通常の行動様式からのズレ」に着目することが大切です。例えば、「以前はお話好きだったのに、最近は無口になった」、「以前はきちんと身だしなみを整えていたのに、最近は乱れてきた」などです。部下や同僚の普段の様子を知っておくことが重要です。

※メンタルヘルス不調
精神及び行動の障害に分類される精神障害や自殺のみならず、ストレスや強い悩み、不安など、労働者の心身の健康、社会生活及び生活の質に影響を与える可能性のある精神的及び行動上の問題を幅広く含むもの

参考:厚生労働省 こころの耳(http://kokoro.mhlw.go.jp/

職場で見られるメンタルヘルス不調のサイン

職場で見られるメンタルヘルス不調のサイン(メンタルヘルス不調者の早期発見・早期対応の手引き)を紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考:メンタルヘルス不調者の早期発見・早期対応の手引き(産業医学振興財団)P.5

メンタルヘルス不調のサインが見られる方への声かけ例

メンタルヘルス不調のサインが見られる部下がいたら、ぜひ上司の方は声かけをお願いします。親しい同僚の方にメンタルヘルス不調のサインが見られた場合も同様です。

「最近、元気がないように見えるけど、何かあった?」など、こちらが感じている変化を伝えながら話しかけましょう。ご本人が「実は・・・」とお話したそうならお話を伺います。「どうすれば相手が話をしやすいか?」を考えながらお話を伺う場所等を決めましょう。時間的な制約がある場合には予め「○時からは予定がある」と伝えておくことも必要です。

メンタルヘルス不調者の早期発見・早期対応の手引き(産業医学振興財団)P.6、P.12より引用

メンタルヘルス不調のサインが見られる方と話をするときに気をつけたいポイント

メンタルヘルス不調のサインが見られる方と話をするときに気をつけたいポイントを5つ挙げます。

■NG
1
、相手の言うことを頭から否定しないこと
例「とにかく、君の考えは間違っている」、「そんな考えではやっていけない」
2、相手の苦しみや辛さに対して気持ちや気分の問題としたり、他者との比較をしたりしないこと
例「普通はそこまで気にしない。要は気の持ちようだ」、「他の人はこうしている」
3、相手の言うことを先回りしたり、話を途中でさえぎったりしないこと
例「早い話が、君は○○と言おうとしているのでしょ?それはもうわかっているよ」
4、無理な励ましをしないこと
例「弱音を吐かず頑張らないとだめだ」
5、無理に行動を促さないこと
例「気分転換に○○してみたらどう?」

メンタルヘルス不調者の早期発見・早期対応の手引き(産業医学振興財団)P.11、より引用

■OK例
相手を受け入れるような言葉を心がける
例「よく我慢したね」、「それは大変だったね」、「つらいね。つらかったね」、「遠慮なく声かけてね。いつでも支えになるから」

おわりに

身近な方にメンタルヘルス不調のサインが見られたら、声をかけてみたり、ゆっくり時間を取って話を聞いてあげたりしましょう。専門機関に相談することもご検討ください。

【ご参考】働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」 厚生労働省
http://kokoro.mhlw.go.jp/