産業医 コラム

冬の感染症に要注意!インフルエンザ・ノロウイルスについて

2019年10月1日

冬は気温が下がり、空気が乾燥することでウイルスが空中に飛散し活動しやすい環境になります。乾燥した空気を吸うため口腔粘膜も乾燥しウイルスの侵入を容易にしてしまいます。インフルエンザは湿度が50%以下になると流行が始まります。 これらの冬場に増える感染症について、対策を中心に紹介します。

1.インフルエンザ

インフルエンザの症状は?

インフルエンザは、1~7日の潜伏期間の後、突然発症し、38度以上の発熱、上気道炎症状、全身倦怠感等が出現するのが特徴です。わが国の流行期は、例年12月から3月で、この時期にこのような症状が出れば、インフルエンザの可能性が高いと考えられます。症状は、通常2、3日持続しますが、5日を超えることもあります。また、高齢者や小児、あるいは肺や心臓などの持病のある方が感染すると、重篤な合併症を併発する危険があります。

ワクチン接種で予防を

流行株と同一型のインフルエンザワクチンであれば、健常成人に対する発症予防効果は70~90%であると認められています。またインフルエンザによる重篤な合併症や死亡を予防することが期待されます。
ワクチン接種が、インフルエンザに対する最大の防御手段です。ワクチンは、接種してから効果を発揮するまでに約2週間かかります。流行期間が12~3月ですから、11月中旬頃までには接種を終えておくと良いでしょう。もちろん、かぜに対する効果はありません。

インフルエンザは、咳、くしゃみ、つばなどの飛沫と共に放出されたウイルスを吸入することで感染します。インフルエンザ流行時には、人混みや繁華街への外出をなるべく控えましょう。
外出したら、うがい、手洗いを励行しましょう。また、乾燥はウイルスに対する防御機能を低下させるので、マスクや加湿器を使用し、適切な湿度を保ちましょう。
日頃からバランスのよい食事や十分な睡眠を心掛け、体調管理をすることも大切です。

もし自分がインフルエンザに罹ったら、周囲への感染拡大防止のためにマスクを着用する気配りも必要です。

インフルエンザに罹ったら

 早期に治療し、体を休めることは自分の身体を守るだけでなく、インフルエンザの拡大を防ぐ意味でも大変重要なことです。 

<一般的な注意点>
●かぜだと考えずに、早めに医療機関を受診して治療を受けましょう。
●安静にして、休養をとりましょう。特に睡眠を十分にとることが大切です。
●水分を十分に補給しましょう。お茶、ジュース、スープなど飲みたいもので結構です。

インフルエンザに罹ったらどのくらい休めばいいの?

職場復帰では決まった規則はありませんが、ソフトバンク(株)では「発症後5日間かつ解熱後2日間は自宅待機」を推奨しています。無理をせず十分に体力が回復してから復帰するようにしましょう。

2.ノロウイルス

ノロウイルスとは?

・潜伏期間は24~48時間
・症状は下痢・腹痛・嘔吐など消化器症状
 38度台の発熱があることもあるが長くは続かない
 症状全体も4日程度で改善

感染しても症状がない場合や軽い風邪のような症状のこともあります。
乳幼児や高齢者はおう吐物を吸い込むことによる肺炎や窒息にも注意が必要です。

感染経路は?

ノロウイルスは感染経路が非常に多く感染しやすい感染症です。
代表的な感染経路は以下の通りです。

<人からの感染>
・患者のふん便やおう吐物からの二次感染
・家庭や施設内などでの飛沫による感染

<食品からの感染>
・感染した人が調理などをして汚染された食品からの感染
・ウイルスの蓄積した、加熱不十分な二枚貝などからの感染

感染症予防には手洗いが大切

感染性胃腸炎になると水のような下痢になります。そうすると排便したときに、お尻全体に飛び散ることがあります。それを拭き取る際に指先やトイレットペーパーで覆われていない親指の付け根、洋服の袖口などにもウイルスを含んだ便がつくことがあります。正しい手洗いで感染を予防しましょう。

ノロウイルスの感染を広げないために

感染者が使ったりおう吐物がついたものは、他のものとわけて洗浄・消毒します。消毒やふき取りには0.02%の濃度の塩素液(薄めたハイター(水2.5Lに25ml(キャップ約1杯))が有効です。

・おう吐物の処理には使い捨てのマスク、ガウン、手袋を使用してください。
・感染がわかった場合は、出来るだけ食品を扱わないようにしてください。
・タオルなどの共有はやめましょう。

最後に・・

お年寄りや子供、妊娠中や持病をお持ちの方は重症化しやすいので注意が必要です。
手洗いやうがいはもちろんですが、ワクチンで防げるものもあるので、受けられる予防接種は受け、元気に冬を乗り越えましょう。