保健師 コラム

本当に知っている?タバコの害について

2018年2月5日

健康相談の際に、「祖父はタバコを吸っていても90歳まで長生きしました」「ヘビースモーカーだったけれど80歳まで元気に生きていました」とお聞きすることがあります。確かに、喫煙者の方でも長生きする方もいらっしゃいます。
しかしながら、喫煙は身体へ何らかの害を及ぼすことが既に立証されているのです。
また、昨今よく耳にされているかと思いますが、喫煙は吸っている本人だけでなく、周りの人へも悪影響を及ぼすということも事実です。今回はタバコを吸う害についてご紹介します。


タバコに含まれる有害物質
タバコには主流煙と副流煙があり、副流煙は主流煙よりも有害成分が多く含まれています。
・有害物質(ニコチン、一酸化炭素、アンモニアなど)約200種類
・発がん性物質(タールなど)約70種類


タバコを吸っている人はこんな病気にかかりやすくなる
がんになった人のうち、男性で30、女性で5はタバコが原因だと考えられています。※1
喫煙による食道がんの発症リスクは非喫煙者に比べ3、肺がんでは4.5※2、すい臓がんでは2※3上がるといわれています。
また、虚血性心疾患(心筋梗塞など)による死亡リスクは非喫煙者と比べ、2.1となります。脳卒中、虚血性心疾患(心筋梗塞など)、腹部大動脈瘤は発症すると命に直結してしまいます。

※1厚生労働省 平成28年8月 喫煙と健康  http://ganjoho.jp/data/reg_stat/cancer_control/report/tabacoo_report/tabacoo_leaflet.pdf
※2国立がん研究センター報告 http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/254.html
※3日本消化器病学会報告 http://www.jsge.or.jp/citizen/2010/kyusyu.html

■タバコを吸い続けていると、生活に支障が出る場合も・・・
タバコを吸うことによる害はがんや脳卒中などのリスクだけではありません。
肺気腫などの病気になり生涯、酸素が手放せなくなる可能性もあります。
また、上記以外の他の病気で入院したとしても、タバコを吸っていると治療がうまくいかず、入院期間が延長する可能性もあります。
後遺症が残ったり、治療により生活に支障をきたすことがあり、ご自身だけではなくご家族も一緒に大変な思いをするということもぜひ知っておいてください。


禁煙は今からでも遅くない!
禁煙をすればがんや他の病気のリスクは確実に低下します。また、禁煙した直後から身体には良い変化がもたらされます。
5年後・・・脳卒中、心筋梗塞の死亡リスク半減
10年後・・・肺がん、すい臓がん発生のリスク半減
参考:国立循環器病研究センター循環器病情報サービス
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/general/pamph65_7.html#anchor-6


新型タバコの害について~有害物質は従来のタバコよりも多い?~
煙の出ない新型タバコ(電気加熱式タバコ・無煙タバコ)が流通し始め、従来のタバコから移行したという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
新型タバコの 健康リスクについて科学的証拠を得るにはかなりの時間を要するのが実情です。
「煙が出ない、あるいは煙が見えにくい」とされていますが、特殊なレーザー光を新型タバコ使用者 の呼気に照射すると、大量のエアロゾル(煙霧体)を吐いていることが分かります。そのエアロゾルの中には、ニッケルやクロムなどの有害物質は、従来のタバコ(燃焼式)よりも高い濃度で含まれているといわれています。
また、通常大気中の濃度と比べると、PM2.5は 14~40、アセトアルデヒドは2~8倍とそれぞれ高いことがわかっています。※
新型タバコといえどもタバコですので、吸わないほうが良いことは明らかなようです。
※日本呼吸器学会
http://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/photos/hikanetsu_kenkai.pdf
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今は大丈夫!と思っていても、確実にタバコの害は忍び寄ってきています。
「病気になってもタバコは吸っていたい!」と思っている方も、実際に病気になったときに後悔しないよう、今から禁煙について考えてみませんか?